薫風
薫風
明日になれば
見知らぬ街の景色もかわって
優しい素顔を覗かしてくれる
四月の風が頬をふくらせて
通り過ぎるから

明日になれば
過ぎた月日を遠い目をして
懐かしく思い出すこともない
春の夜に満たされて
新月の夢をみるから

明日になれば
またいつもの人込みに埋もれて
傷つきやすい素顔隠してしまう
四月の日差しはもう既に
明るすぎるから

by NEKO

 

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